ダイヤルゲージを使用してピストン上死点を出しています。
延長棒はアルミパイプ材で作りました。
エキゾースト側1番シリンダーのタイミング測定中です。
一番最初にエンジンを組んだ時に、バルブタイミングの測定をいい加減にやっていたので、
再度測定と調整を行いました。
ピストン上死点は、クランクを回しダイヤルゲージが動かなくなった角度の2分の1を中心点とし、針金でタイミングホイールのTDC位置にセットします。
バルブリテーナーと垂直になるように測位棒を製作しました。       ミツトヨの純正品ではカムのオイルジェットが邪魔して測定できません。
製作した測定棒の拡大図、先端が3oの真鍮を使用しクランクになっており、タペットとガイドの隙間を逃げるように測定できます。
カムスプロケットの固定穴をリューターでバーニア加工しています。    歯の部分に切削油(エンジンオイル)を垂らしながら削ると、刃先も
痛まないし、早く削れます。
加工が終了した、カムスプロケット。46山あり、クランク2回転で1回転しますので、一山ずらすと、クランク角で15.65°変化します。
一山の間隔は6mmありました。今回は、カムシャフトが進む方向に2.5o穴を拡大しました。計算上で約7°進む事になります。
修正前は、IN・EXともに約6°遅れていました。バルブタイミングの本に拠れば、0.1mm面研で、タイミングが1°遅れると記述してありましたが 0.6mm面研したので、予想どうりでした。ヨシムラの推薦値は面研しない事を前提にした、ボルトオンの製品ですね。要は最初にエンジンを組んだ時からバルブタイミングが合っていなかったという事です。実はエンジンを組んだ時には、バルブタイミングの事がよく判っていなかったのです。
あの時は早く乗りたくて、やっつけ仕事をしていました。         朝8.30分から準備をして、夜の11時に組み終わりました、測定に5時間ほど費やし、測定値は5回やって平均値をとりました。
以下は、今回バルブタイミングを調整しようと思わせた、本達です。
特にバルブタイミングは3・4回読んでも書いてある事が、ぼんやりとしか理解できませんでした。   10回ぐらい繰り返し読んで、ようやく書いてある事が理解できてきたような気がします。
こんなに沢山の本を同時に読んだのは、学生の時以来かも知れません。               もっと学生の時に、普通の勉強しとけば良かったと思った、今日この頃です。

追加
測定前 IN111-EX99    圧縮圧力 平均17.0Bar 
修正後 IN106-EX104    圧縮圧力 平均18.5Bar
推薦値 IN105-EX105(X4)
SC40  IN110-EX105

注意・INは遅らせると数字が増えて、EXは遅らせると数字が減ります。

しばらくしてよく考えたら、CB1300(SC40)のインテークロブセンターアングルは110°なので、高回転エンジンに仕上げる時は
110-105に設定すればCB1300と同等のエンジンになる事に気がつきました。
しかし、そうなるとバルブオーバーラップは減ってしまうので、高回転型では無くなってしまう・・・・
ある本に書いてありましたが、『エキゾーストを遅らせてオーバーラップを多くしたら高回転型になる。』
『インテークを遅らせたら100→115(例)にしたら、バルブの閉じる時期が遅くなって高回転では慣性吸気する量が増え、
シリンダーの充填効率が増え高回転型のエンジンになる』でも、オーバーラップは減るんじゃないの???

何がナンだか、判らなくなりました。
106-104で、シャーシダイナモに掛けてピークパワーの発生点が低回転側にずれていれば、X4本来のエンジンになるのですね、たぶん。
なんで、こんな事を書くのかと言うと、修正後に乗った感じは低回転での押し出し感が、とても増えたように思いました。
ハイカムとFCRと圧縮アップだと、低回転辺りでは新気の吹き抜けが多いのと圧縮アップで相殺されて、少しだけ乗りにくいハズなんですが、
俺のX4は5速1,500rpm辺りからアクセルを開けるとグリグリ加速していきます。
圧縮圧力が増えているので当然なんですが、それよりも圧縮圧力が18.5Bar(19.0kg/cm2)は、高すぎのような気がするんですが、
これじゃまるでディーゼルエンジンです。軽油入れてハイテンションコードを外しても自然発火でエンジンが回るんじゃないかと、思うくらいです。
たぶん圧縮圧力計がスレート製なので、狂っているんでしょう。
あと、高回転の具合は、街中では怖くてアクセル開けられなかったので、さっぱり感触がつかめないのと、3速とか4速のパワーバンド付近の
感触なんて高速道路じゃないと判らないし、高速道路でも比較対照が前回乗ったときの感覚でしかないので、さっぱりアテにならんです。
前回計った気象条件と同じぐらいの日に、ダイナモで計って比較するしか無いです。
『バルブタイミングはエンジン性能の決め手』 まさに、そのとおりだと思いました。
以前に立野代表と電話で話をしたときに、バルブタイミングを色々変更してテストしているとおっしゃってましたが、これは大変な作業で
立野代表の努力に、自分は頭が上がりません。
なんてったって、X4界のスターでギターアンプのスピーカーキャビネットを自作しちゃう人ですからねー。スゴイ!!

ちなみに、バルブタイミングの著者でバルブタイミングだけで1冊の本を書くような藤沢公男さんは、
NAの最適なバルブタイミングについて、こう書いています。
『95-95 95-100 100-100 100-105 105-105 105-110 110-110 110-115 115-115の合計9種類の組み合わせの中から
選択すれば、90%以上の確率で最適なバルブタイミングを見つけることが出来る』
なるほど。
さらに追加
東名のWEBサイトに記載されていましたが
エキゾーストを固定し、インテーク側バルブタイミングを進めると(例:120°→110°)低回転域の出力が上がり、またインテーク側バルブタイミング
を遅らせると(例:110°→120°)高回転域の出力が向上するようです。
要は極低回転域(アイドリング域)はオーバーラップを少なく、中高回転域はオーバーラップを多く、高速回転域はオーバーラップを少なくすると出力
が向上するようで、世間で言われているオーバーラップを多くすると高速域で出力向上するというのは、どうも間違いのようです。
現に、トヨタのVVTはアイドリングでバルブタイミングを遅らせ新気の吹き抜けを少なくし、中高回転では進めて、高回転ではまた遅らせる制御を
しています。各社が可変バルブタイミングを採用し、エミッションと出力の向上に力を入れているわけが判りました。これが、90%以上の確率で
最適なタイミングを見るける事ができるに、当てはまらない例のようです。
X4の105-105 オーバーラップ22.5°というのが、CB1300に比べて低い回転が最高出力という結論になると考えてみました。
最高出力だけ狙うなら、115-105ぐらいに設定してやれば良いのじゃないでしょうか。ただし、クロスミッションにしていつも高回転を維持するような
乗り方になると思います。完全にレース向きですね。
とりあえず、105-105・110-105・115-105の三種類を設定して、シャーシダイナモで測定したい思います。